2006年12月22日

函館市障がい福祉計画策定に関する懇談会。

函館市でパブリックコメントも募集しているのですが
各障害者団体からも意見を聞きたいとのことで、函館中失協からakkiが
出席してきました。

まず、資料(函館市障がい福祉計画 素案)の説明があり、その後
意見交換へと進みました。
以下、函館中失協からの発言内容です。

1.要約筆記派遣事業ならびに要約筆記者養成事業について

現在、渡島桧山管内で要約筆記派遣事業が実施されているのは、函館市、北斗市、七飯町のみであり、この2市1町は、社会福祉法人「侑愛会」に事業委託し、広域相互派遣という形で、当該地域の住民は2市1町内であれば通訳利用が可能となっています。

10月から障害者自立支援法に基づく、地域生活支援事業の中のコミュニケーション支援事業で、要約筆記派遣事業も各市町村の必須事業として位置づけられております。しかし、先頃、聴覚障害者「自立支援法」対策道南地区本部が、渡島桧山管内各市町に対して「コミュニケーション支援事業の実施予定調査」を行ったところ、函館、北斗、七飯の2市1町以外の他の自治体は、手話通訳の派遣については、委託形式で実施する旨の回答がありましたが、要約筆記については、検討中、未定、または実施予定無しとの回答ばかりでした。

「聴覚障害者は手話でコミュニケーションを取る」という考えが一般に多いかと思われますが、実際には、全ての聴覚障害者が手話を理解できるわけではなく、むしろ筆談などによる、日本語の文字での情報保障や、補聴器等で残存聴力を活かしてのコミュニケーションもかなり必要とされております。高齢化社会に伴い、老人性難聴も増えてくることが予想されますが、こういった方々にとっては、手話を習得することは非常に難しいものがあり、文字による情報保障として、要約筆記の方が必要性が高い、潜在的ニーズは高いと考えられます。

まだ、世間一般に要約筆記に対する認知度が低いということもあり、難聴者・中途失聴者の方々にも、要約筆記という情報保障があるということを知らない人も多いかと思いますし、障害者自立支援法により、各市町村で必須事業として行われるということを知らない方が大部分ではないかと思います。ですから、日本語文字による情報保障の制度として、要約筆記というものがあるとわかれば、利用したい方もいると考えられますし、公の集会などで、OHPなど要約筆記のスクリーンが用意されていれば、難聴者や中途失聴者が参加しやすくなることはもちろん、他の聞こえる方々への情報補助としても活用でき、皆で情報を共有できる環境を作ることができる、いわば情報バリアフリー環境を作ることができます。

自立支援法により、手話通訳・要約筆記のコミュニケーション支援事業が必須事業とされたことを契機に、渡島桧山管内、どの市町の住民も、要約筆記によるコミュニケーション支援が受けられる様、また、お互いの地域で通訳を利用できるよう、函館圏で実施している広域相互派遣事業をモデルケースとして、他の管内各町からの提案を待つのではなく、函館市から積極的に事業提携を進めていただきたいと思います。
 
また通訳派遣を実施するには、通訳者の養成も不可欠であり、要約筆記者として通訳業務に就くまでには数年かかることから、函館市においては、毎年要約筆記者の養成事業がなされるよう要望致します。

また、制度が実施されている函館圏でも、要約筆記派遣制度を知らない難聴者・中途失聴者も多いと思います。無料で利用できること、どういった場合に利用できるのかを明示し、もっと住民にアピールしていただきたいと思います。利用対象者についても、障害等級に満たない軽度〜中度の難聴者でも、日常生活において、要約筆記を必要とする場面は色々とあります。障害者手帳所持者以外の難聴者・中途失聴者でも利用可能としていただきたいです。

(函館市の回答)
函館市は地域生活支援事業のなかで手話通訳者ともに、要約筆記者の養成事業を継続します。他町との関係については、今後養成事業を開始する時点で、他町に対し、函館市として、養成事業を実施するということを働きかけていきたい。
他町に対しても要約筆記の必要性を伝えると共に、コミュニケーション支援事業が的確に行われるように、市としても働きかけたい。
派遣制度の周知については、障害者手帳交付時に「障害者のしおり」などを渡して説明しているが、今後も市民に広く制度を知ってもらうために、効果的な方法がないか検討していきたい。
手帳所持者以外にコミュニケーション支援事業を利用できるようにしてもらいたいという意見について。
軽度中度難聴者も聞こえに不便を感じており、要約筆記が必要な場面もあるということはわかるが、現状、法の縛りがあり「障害のある方=手帳所持者」となっているので、その点についてはご理解いただきたい。



2.難聴者に必要な補聴器と補聴援助システムの給付について

補聴器は大変高価です。難聴者が必要とする補聴器を入手できるように、高齢者等所得のない、あるいは低所得層の方等には補聴器の購入・修理の際の自己負担には特別の減免など負担軽減策を求めます。また、難聴者向け機器には、補聴器や人工内耳と併用することで、聞こえの改善に有効なものがあります。日常生活用具に取り入れていただきたいと思います。

(函館市の回答)
補聴器、日常生活用具の補助等の件について。
現状、補聴器は、費目、性能、その他が決まっており、支給に当たっては北海道の総合相談所の判定が必要。市独自でやっていくのは今のところ難しい。
日常生活用具についても、国の方から機器については「例示」という形で示されているが、現実、縛りをかけられている状況。
そういう意見があるという事は、国に伝えていきたい。


3.聴覚障害の認定の基準の見直しを求めます。

難聴は生活の場面におけるコミュニーション障害であり、ICF(国際生活機能分類)に基づき、身体障害者福祉法の聴覚障害の基準を緩和してください。聴覚障害の基準が変更されないため、障害者自立支援法が制定されても、大部分の難聴者が支援の対象になりません。
(聴覚障害者600万人のうち手帳該当者は25万人)

※参考
身体障害者福祉法では
・両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの(40センチメートル以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
・一側耳の聴力レベルが90デシベル以上他側耳の聴カレベルが50デシベル以上のもの

以上に該当する場合に、最下級の障害等級6級と認定されますが、WHO(世界保健機構)の基準では、41デシベル以上から補聴器の装用が必要とされてあり、欧米諸国もこの基準に則っています。
耳の聞こえは「デシベル(dB)」という単位で表され 「0(ゼロ)デシベル」というのが、一般に健聴者が聞き取れる最小限の音です。この数字が高くなるに連れて難聴の度合いも高くなります。

ただ、「音が聞こえる」ということと「音が言葉として聞こえる」ということは違います。「音が言葉として聞こえる」ことで、初めて音声言語によるコミュニケーションが可能になります。音の大きさ、デシベルで軽度中度の難聴と判断されたからと言って、日常生活上での「聞こえ」の問題についても軽いということにはなりません。難聴には単純に音が聞こえにくくなる伝音性難聴と、聴神経が侵され「言葉」の判別がつきにくくなる感音性難聴、この両方にまたがる混合性難聴があります。そして、高齢に伴う老人性難聴を含め、大部分の難聴者は感音性難聴あるいは混合性難聴とのことです。

「聞こえない、聞こえにくい」ということは、家の中で1人でいる場面ではさほど困ることは少ないのですが、周囲とコミュニケーションを図る必要が生じた時に問題が噴出するなど、環境によっても困難度が大きく変わります。そういった聞こえない、聞こえにくい方々も、多くの聞こえる方々と共に日常生活を営んでいるわけですが、音声言語が主流の日常生活において、「聞こえ」に対するサポートは圧倒的に少ないのが現状で、会話の都度、神経をすり減らしています。

聴覚障害者について、「聞こえない」という障害そのものだけを見て、障害の受容、困難軽減を障害当事者個人の問題とするのではなく、聞こえないことによる日常生活上の困難は周囲の環境も少なからず影響していると考えられますので、障害当事者を取り巻く環境についても考慮し理解し、地域社会全体としてささえていけるという、聴覚障害者にとって暮らしやすい街とは、そういう街ではないかと考えます。

(函館市の回答)
函館市は、中核市になってから、身体障がいのある人の手帳交付については、市が認定できることになっている。
ただし、今のところ明確に認定基準が定められており、それを越えた認定は今はできる状況ではない。
しかし、お話のように欧米諸国の例もあり、そのような意見については、国について伝えていきたいと考えている。



以上。

今日の情報保障は、PC要約筆記の2人入力で一組という
休み無しで約1時間半でしたので、結構大変だったと思います。
お疲れ様でした〜。m(__)m
posted by akki at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 自立支援法関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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